光明寺について

光明寺本堂

光明寺旧本堂は平成24年秋より建て替え工事に入り、翌年夏に現本堂の使用が開始されている。

光明寺新本堂

新本堂大屋根

新本堂と大銀杏

秋の光明寺本堂前

新本堂内部.jpg

建てかえ中の光明寺本堂.jpg

旧本堂は傳空祖吟上人の発願により安永末期に再建されていた。間口七間奥行き六間半(回廊を含む外周は約九間四方)で、周囲のガラス戸とトタン葺きの屋根(内部はカヤ葺きのままである)以外は、ほぼ完全に建築当時のままであった。

光明寺旧本堂__large.jpg

建てかえ前の本堂は、堂内に入るとまず奥行き一間ほどの板張り部分が左右に広がっており、その先に畳敷きの外陣があった。檀信徒は一番手前の板張り部分か畳み敷き部分に着座するのだが、見ようによっては一等席二等席の区別があったのかもしれない。

旧本堂内部.jpg

外陣の先、中央いちばん奥の周囲より一段床が高くなっている部分が内陣(僧侶が着座する範囲)である。周囲を丸柱が囲っており内陣と外陣が明確に区別してあった。内陣はいわば聖域であり一般人の立ち入りは禁止である。内陣の左右にあるスペースを余間と呼ぶが、この部分は僧侶の控えの間や執務室として利用することもあったようだ。江戸期における旦那寺住職の権限というものはかなりのものであったらしいが、内陣は物理的にも高い所でありまさに上座である。このような内部の構造を見ると当時の身分制度の厳しさを垣間見るような気がする。

旧本堂内陣__2__large.jpg

天井には大型の行灯を下げる木製のフックが残っていたが、夜間はさぞかし暗かったであろう。すでに二百四十年近く経過しており内部の柱は軒並み北東方向に傾いていた。冬季は柱と引き戸の隙間から容赦なく寒風が吹き込み、寒さが骨身にしみる本堂であった。

行灯用のフック.jpg

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