光明寺について

光明寺のしだれ桜

光明寺のしだれ桜

光明寺の近所には昔から有名なしだれ桜があった。真宗本願寺派西円寺のしだれ桜で、美祢市の指定木であった。隣町に生まれ育った私は、子供のころに遠足か何かで見に行ったことがあり、それが初めての対面であったと思う。残念なことに落雷の被害で樹勢が衰えて枯れてしまった。現在、西円寺では後継として植えられた数本が毎年見事に咲いてくれている。いずれは大樹になってくれるだろう。

さて話は変わって光明寺のしだれ桜であるが、枯れてしまったあの老木の直系だと聞いている。しかし、現状ではまだまだ大した事は無い。と言うのも、枯れてしまった西円寺の桜があまりにも立派だった(私の記憶では巨木だった)ので、それに比べるとこっちの桜は見劣りするのである。行政の指定木になっていないとういう事もあった。ところが平成12年の春であった。日本桜学会の関係者が立ち寄られ、この桜を随分と持ち上げられてしまったのである。曰く「姿かたちが非常に美しいので驚きました。このまま月日を重ねれば間違いなくとびっきりの名木になりますよ」などとおだてられて、急に気になりだしたのである。

言われてみれば確かに姿は良い。一言で言えばまるで松の盆栽のような姿で、珍しいといえばたしかにそうである。このような姿の桜を写真でも見たことは無い。名木と呼ばれる全国各地の巨大な桜は目の前にするとその圧倒的な存在感に感銘を受けるのだが、光明寺のしだれ桜はまだまだ小さい。しかしその姿は意外にも絵になっているのである。元来桜といえば写真愛好家の格好の被写体であるが、毎年春になるとこの桜を目当てに訪れるカメラマンが意外とおられる。彼らの気持ちになってあらためて眺めてみると「現状でもけっこう貴重なんだ」と見直した次第である。

ありがたいことに桜学会の先生により、光明寺のしだれ桜の植物学的な血統が明らかになった。それによると江戸彼岸系の野生種に近いものであるとのこと。長寿になる可能性は高いらしい。大事に守ってやりたいと思う。

しだれ桜の写真はこちら→https://koumyou-ji.or.jp/news/archives/57

 

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