こだわり住職のよもやま話

2011年5月19日

しつこいですが、続編です

2011年05月19日

白川郷の周囲.jpg

今年の団体参拝の観光については、すでに永平寺と金沢兼六園のことを書きました。しつこいですが、またまた続編です。兼六園を後にした我々が次に訪れたのは、世界遺産の白川郷でした。ここは周囲を2千メートル級の山に囲まれた秘境です。まさに別世界でした。私の知っている場所で、似たような環境(秘境)といえば、平家の落人の里として知られる九州熊本県の秘境、五家荘あたりが真っ先に思い浮かびます。このあたりもすごいところです。なんと言っても道路事情が良くないので訪れるのが大変なんです。その点白川郷は、ついこの前開通した東海北陸自動車道の白川郷インターを降りたらすぐそこです。そして、その白川郷と高山市方面を結ぶ飛騨トンネルは10キロ少々あります。国内3番目の長さだそうです。このトンネルのおかげで、この地で生活している人々は、冬期でも安心して移動が可能になったのです。よかったですね。

白川郷の明善寺.jpg

さて、白川郷といえば、皆さんご存じの通り合掌造りの集落です。カメラを片手に散策しましたが、例によって私が一番気になったのは写真などでよく目にする茅葺きの民家群ではありません。集落内にある古いお寺の山門が実に印象深かった。真宗大谷派明善寺さんの門であります。(正式には鐘楼門と呼ぶ)ご覧の通り実に素晴らしい。まるで日本昔ばなしに出てきそうではありませんか。(例えが古過ぎるか?)本堂の屋根は現在葺き替え工事中でした。わが山寺もトタンを取っ払えばこれとほぼ同じですから、妙に親近感が湧いてきます。「維持管理は大変だろうなー」と、よけいな心配をする私でした。(生意気にも県指定の文化財と勝手に比べておりますが、現実は月とスッポンである。この身の程知らずがーであります)

屋根補修中の明善寺本堂.jpg

白川郷でゆっくり時間を過ごした我々は、その後高山市内のホテルへ向かいました。お宿は「高山で一番のホテルですよ」と、ガイドさんも太鼓判を押す、高山グリーンホテル「天領閣」です。なるほど、おっしゃる通りでありました。ホテルの敷地内には充実した物産館(おみやげ店)もありました。広くて実に豊富な品揃えです。おみやげを選ぶのに目移りして困るほどです。この物産館だけを目当てに団体バスが次々と訪れるのも納得です。こちらのホテル、温泉も実によかったです。いいお湯でしたね。お約束の露天風呂も広くて快適でした。さすがJTBさん。いいホテルを押さえてくれていました。その夜は団体参拝旅行最後の宴会ですから、我々は思い切りアルコールを頂いて大いに盛り上がりました。

高山市内の気になる風景

翌朝は高山祭りの豪華な山車を常時展示している屋台会館をまず見学しました。その後は高山の朝市と古い町並みの散策です。ぶらぶらしていると、軒先に下がる妙なものが目にとまります。酒屋さんが看板がわりに下げている、杉の葉を玉にした「酒ばやし」です。テレビや写真で見たことがありますが、実物を目の前にすると、まるで巨大なタワシみたいです。思わず触ってみたくなりましたが手が届かなかった。残念。

円空仏の千光寺山門.jpg

最後に訪れたのは、円空仏のお寺「袈裟山千光寺」です。円空仏は、ちょっぴり愛嬌のあるその独特の表情から、一度目にしただけでもしっかり印象に残る仏さん(仏像群)です。私も写真やテレビ番組などで知っておりました。しかし、それが沢山展示してある千光寺に関しては、ほとんど知識はありませんでした。千光寺の寺宝館には64体の円空仏が展示してありました。仏さんは有名なのに、なぜかお寺はあまり知られていないように思えます。私が不勉強なのではありますが、初めて訪れて、その理由が少し解ったような気がしました。今回我々は観光バスで訪問しましたが、山の中腹まで登る登山道が実に急傾斜で、しかも狭いのです。だから大型バスが大挙して訪れるのはかなり難しい。あのベテランガイドさんさえ「初めて訪れました」とのことでした。我々は、ヤサカ観光バス運転者さんの超絶テクニックで無事訪問することが出来ましたが、やはり、観光バスで訪れるのは少々難しい場所です。しかし乗用車なら問題ありません。千光寺は個人単位でじっくり訪れるのが望ましい霊場ですね。今回行程に組み込まれていたのは、組寺の舜青寺住職が円空仏にとても詳しくて、その推薦があったからです。おかげで貴重な機会を頂きました。今年の団体参拝旅行の記事はこれで終了です。

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