こだわり住職のよもやま話

2011年4月

この世には三人いるらしいのですが

2011年04月26日

800年御遠忌の本山御影堂.jpg

20日の早朝より三日間、本山御忌会(法然上人800年御遠忌法要)の団体参拝へ同行しました。70名あまりで法要に出席し、その後は福井・石川・岐阜と各地の観光名所をめぐる二泊三日のちょっぴり贅沢な旅をさせて頂きました。今回の参拝旅行を振り返る記事を書こうと思うのですが、詳しいことは次回にします。実は持病の腰痛が悪化して、昨日よりPCの前に座っているのも苦痛なのです。とりあえず総括として個人的な感想を少々書いておきます。思うに今年の団体参拝は実に充実していました。山口と大阪間は行きも帰りも新幹線ですが、後はずっと2台のバスで移動しました。本山での法要の後、我々は初日の宿泊先である山中温泉(石川県加賀市)を目指して素早く移動しました。翌日はまず永平寺へ参拝し、昼食の後に金沢の兼六園を見学しました。その後は世界遺産白川郷を訪ねてから、二日目の宿泊先である高山市内へと入りました。三日目は早朝より高山市内の観光を行い、さらに円空仏の千光寺を訪れてから昼食をいただきました。その後は一路新大阪駅を目指して高速を走りました。バスでの移動距離が長くて少々強行軍ではありましたが、実に良い旅でした。

旅行といえば、なんといってもお宿とお食事が重要ですが、(私くらいの年齢になると温泉も重要であるが)三日間に渡っていずれも申し分ありませんでした。今回のプランはJTBの下関営業所さんが手配してくれました。すでに書いた通り内容は充実していましたし、宿と食事そして温泉も文句無しです。さすがに大手の旅行代理店だけのことはあります。それと印象に残ったのが大阪ヤサカ観光バスのベテランガイドさん。素晴らしい知識でした。長時間にわたり実に落ち着いたトーンで解説しつづけられ、要所では泣かせる話も織り交ぜて見事なガイドでした。よくあれだけのことを正確に覚えておられる。恐れ入りました。ここまで詳しいバスガイドさんは、そうそういないでしょう。

さて、最後に個人的に一番印象深かった方について触れておきます。それは今回の添乗員であったJTB下関営業所の平田さんである。まだお若いのだが、良い仕事をしてくれました。それと、その彼女だが、私の娘にそっくりなので驚きました。(我が娘より少々お姉さんではありますが)「この世にはそっくりな人が三人いる」なんて言葉がありますが、その容姿というか見た目の雰囲気はもちろんのこと、掛けてたメガネのデザイン(メガネ屋のCMに登場してたベッキーちゃんが掛けてるやつ風)も同じでした。彼女は(我が娘も)色白で小顔です。最近の若い人たちに多いのだけど、アゴがとっても小さいのです。(堅い物食べない影響かも)それでもって、その小さなアゴの下がちょぴりプヨプヨしてるのである。おもわずなでたくなります(これってセクハラだよなー)。メガネで隠れがちだけど、実は大きな瞳です。ほほえむと口角がキュッと上がるのでひときは好印象です。だいぶ前になるけど、アフラックのCM(アヒルが出てくる保険会社)に出演していた宮崎あおいさんと同じです。宴会の時にお酌をして頂きましたが、娘がしてくれているみたいでひどく感激です。なぜなら、私は娘にお酌して頂いたことはありません。今後もそんな機会は無いかもしれませんので、ひときはありがたかったのであります。(実に個人的な感慨で申しわけありません。)

相続は仏教語でした

2011年04月25日

ロウソク.jpg

ここ最近、新幹線で京都へ出かけることが続きました。移動中の時間は退屈ですから、私は必ず雑誌や単行本を手にしてから乗車します。先日京都から帰る際に読んだ本は、おもわず「これは良い本に出会えたな」と思いました。私たち日本人は仏教語を日常的によく使っています。しかし、それが仏教由来の言葉だと知らずに使っていたり、仏教本来の意味とは違う使い方をしていることが意外と多いものです。その本は、そんな数々の仏教語をやさしく解説してくれています。実に気軽に読める仏教入門書でもあります。本願寺出版社・辻本敬順著・くらしの仏教語豆辞典(上・下)という書籍ですが、わすが600円です。実にお値打ちです。とても良い本ですから、その中から一つご紹介したいと思います。

お題は「相続」です。相続と聞くと、筆者も書かれているように、我々は「遺産相続」なんて言葉をつい連想しますが、実は「相続」とは、いろいろなお経の中で出てくる言葉であり、元々は仏教語だったのです。不勉強な私は「あっ、そうなんだー」でありました。以下内容を一部引用させて頂きます。

・・・仏教では、すべての現象は諸行無常で、変化して一瞬一瞬生滅すると説きますが、その流れは継続するといいます。今、ここにローソクの火があります。その火それ自体は、一瞬に燃えつきて滅し、その直後に別の火が燃えて、それが絶え間なく連続するから、一つの火として燃えているように見える、というわけです。つまり非連続の連続。これが相続で、「倶舎論」などいろいろな仏典に出て来る仏教語です。その仏教語が現代使われているように、引き続き起こること、受け継ぐことの意味となって、一般にも用いられるようになりました。・・・(一部抜粋)このように辻本敬順師(著者)は解説されています。うーん、実に解りやすいですね。おまけに結びの一文が素晴らしい。

・・・相続といっても、財産や名誉を相続することばかりに、うつつを抜かさないでくださいよ。お念仏相続という、大切な相続もあるのですから。

いやー、おっしゃる通りであります。恥ずかしながらこの私も仏教者の端くれです。お念仏の相続を肝に銘じなければなりません。よい勉強をさせて頂きました。

日頃の行いが良いのか悪いのか

2011年04月09日

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発端はこの春から京都で暮らすことになった息子のアパートへ、山口から車で荷物を運び込んだ夜のことでした。先月28日の午前1時31分、私は携帯のコール音で飛び起きることになりました。ディスプレイに表示された発信者名は責任総代の安部哲男さんです。時間が時間ですから察しはつきました。たぶんお葬式です。案の定たった今お父様が亡くなられたので病院から連絡しているとのことでした。さて困りました。今から直ちに山口まで帰るのはもう無理です。本日はすでにくたくたですから、とりあえず朝まで眠らないと運転などとても出来ません。しかも、車で引き返すとなると7時間近く考えないといけないので、朝出発しても枕経は結局夕方になります。それで少々考えた後にひらめいたのは「朝一の新幹線しかないな」でした。ネットでさっそく時刻表を検索すると、新大阪発の一番列車、6時発の「みずほ」と広島から「こだま」を使えば、なんと8時26分に厚狭駅に到着できます。妻に迎えに来てもらい、枕経の支度を調えて9時半頃には安部家に到着出来ました。

つくづく新幹線はありがたいです。ただし車は本山の駐車場に放置したままです。息子の住まいの準備も中途半端のままで放り出しています。それで葬儀が終わった翌31日に、私は再び朝一番の新幹線で京都へ向かいました。到着後本山に停めたままの車をとりに行き(これがすこぶるめんどうです)息子の生活道具を調達するためにホームセンターへ向かいました。すると再び事件です。

それはまもなく目的の店舗へ到着というタイミングでした。携帯が鳴りました。発信者は檀家さんです。法事の予約かなと思いつつ電話を取ると、あろうことか、またお葬式です。午前10時31分でした。さすがに驚きました。ふたたび新幹線で引き返すしかありません。そのお葬式を4月2日に無事済ませてほっとしたのもつかの間、5日には再び上洛しました。サラリーマン時代に大変お世話になった加藤取締役のお宅(名古屋市内)へ5日に伺う予定が入っていました。それと毎年恒例の同行人会が今年は7日の午後になっていました。この2件と中途半端になっている息子のアパートの件を一挙に片づけるために、5日の朝一番でまず名古屋へ行きました。加藤さんと奥様のお二人に生前戒名の授与式を行い、名古屋市内の立派な料亭で昼食を頂いた後に息子のアパートへ戻りました。6日は終日ホームセンター等で息子の生活に必要なものを調達し、翌7日は毎年恒例となった同行人会行事として、本山でのおつとめに一同で参加した後、河原町の飲食店で深夜まで話し込みました。そして8日早朝には本山の駐車場へ長らく放置したままだった車をとりに行き、雨模様の中をけっこうなペースで山口まで高速で帰りました。その日は午後3時から組寺の集会があるので急いで帰らなければならなかったのです。

こんな調子でここ最近は実に過密な日々を送りました。思うに、これって田舎の坊さんがすることじゃないような気がします。いつから我が山寺はこんなに忙しい寺になったんでしょう?日頃の行いが悪いからでしょうか?いやいや日頃の行いが良いから貴重な経験をさせて頂けたのだと思うべきでしょうね。今月は20日~22日にも本山御忌会の団体参拝で上洛することになります。今春の私はまるで出張づくしの営業マンみたいです。

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本日はひさしぶりに山寺に出勤です。この2~3日で境内の桜が一挙に開花していました。光明寺のしだれ桜もすでに7~8分咲きです。今年は寒かったので開花が昨年より一週間遅くなりましたが、今日以降しばらく雨が降らないでくれたら長く楽しめてありがたいのですが。さてどうなるでしょうか。

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