こだわり住職のよもやま話

2010年11月1日

まさに喜びの涙です

2010年11月01日

舜青寺稚児行道.jpg

昨日は「西山で用いる二つの紋」 (3/9投稿記事)でご紹介した徳光山舜青寺さんで晋山式が行われました。先代漆間正道師が遷化されて早や三年、法灯を受け継がれた漆間朋道師の住職就任式は、組寺の僧侶はもとより檀家の皆さんや地区の皆さんも多数見守る中で盛大に開催されました。晋山式の主役はもちろん晋住(新住職)ですが、ひときは皆さんの目を引いたのは可愛らしいお稚児さんたちでした。少々雨模様だったので屋外での稚児行列は中止になりましたが、先代が再建された本堂で稚児行道をしっかりやりました。その様子を眺めていたら、もう二十歳になる私の娘が実家の檀那寺本堂の建て替えが行われた際に稚児として出演(?)したのを思い出しました。まだ幼かった長男は姉の稚児姿を目にするなり「自分もやりたい」と急に言い出して妻を困らせたものです。私はカメラを握りしめて娘の晴れ姿を残す事に必死でした(当時写真に凝っていましたから)仕上がったプリントを眺めて「我が娘ながらなんて可愛い子なんだ」と悦に入ったりしていたのですから見事な親ばかぶりです。稚児行列はめったにありませんが実にいいものですね。お寺なんて(失言)常日頃はお年寄り専門ですが、この日ばかりは若い方の姿が目立ちます。そしてこれがあるからこそひときは賑やかになるのです。お稚児さん一人につき、父母とおじいちゃんおばあちゃんですでに4人の関係者が御参拝です。この構図は幼稚園の運動会とまったく同じですね。

さて、晋山式が無事に終了したので晋住はさぞかしホッとされたことでしょう。事前の準備も大変でしたね。本当にお疲れ様でした。なんてったって晋山式は何度もやることじゃないし、やり慣れていない事が沢山出てくる法要ですから緊張しますよね。「うまく出来るかなー」なんて言われてましたが、前日に二人でリハーサルした通り見事にこなされました。それと流石に元教頭先生ですね(今年退職されました)晋住の挨拶は実に堂々としていて素晴らしかった。私など極度のあがり症ですから、いまだに人前で話すのは苦手です。うらやましい限りです。

式の最後には支所長の願成寺住職、国藤重成師より参拝の皆様に謝辞が申し上げられました。当日の雨模様について「先代が喜びの涙を流され、この地に降りそそがれているのです」と述べられた挨拶には感銘を受けました。先代の強い思いを知る一人として、まさにその通りだと思いました。誠におめでとうございます。

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