こだわり住職のよもやま話

2016年9月18日

やさしい仏教講座(第4回)

2016年09月18日

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○お釈迦さまの説いた真理
お釈迦さまの教えは、「人生とは苦である」ということからスタートし、「どうしたら私たちは苦から開放され幸せになれるのか」ということを基本テーマとしています。お釈迦さまが菩提樹の木の下で悟り、そして説いた教えは、縁起・四諦(したい)・八正道から成っています。「縁起」とは、物事が互いに関係しあっているという意味です。そこから、「人生が苦であるならば、それは苦のみが独立しているわけではなく必ず原因がある」、ならば、「原因がなくなれば苦悩はなくなる」ということを導きだし、人生が苦であることの根本原因を考えられたのです。「四諦」とは、4つの真理のことで、苦諦(くたい)・集諦(じったい)・滅諦(めったい)・道諦(どうたい)といいます。「苦諦」とは、苦に関する真理のことで、人生とは本質的に苦であると説いています。「集諦」とは原因に関する真理で、人生が苦であることの原因は「煩悩」であると説いています。「滅諦」では、原因の消滅に関する真理を説き、苦の原因である煩悩の消滅が苦の「滅諦」であると説いています。「道諦」とは、修行道のこと、すなわち実践(方法)に関する真理で、苦の原因を取り除く方法を説いています。この「道諦」を詳しく説いたのが「八正道」です。

○八正道の詳細
お釈迦さまは苦を消滅させるためには八つの正しい道(方法)があると説いています。正見・正思惟(しょうしゆい)・正語・正業・正命・正精進・正念・正定という八つの道です。正見とは、自我の意識を離れ正しく物事を見ること。正思惟とは、正しく物事の道理を考えること。正語とは、真実のある正しい言葉を語ること、正業とは、正しい行為を行うこと、正命とは、正道に従って清浄な生活をすること、正精進とは、正しく目的に向かって努力すること、正念とは、邪念を離れて正しい道を思念すること、正定とは、正しく精神を集中して安定させることです。これらの修行を積むことによって煩悩をなくし、結果として苦を克服することができるとしているのです。お釈迦さまはこうした真理を、相手の理解力や素質に応じて、臨機応変に説かれました。

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