こだわり住職のよもやま話

2016年11月

やさしい仏教講座(第6回)

2016年11月30日

密教仏具

○仏教の説く此岸(しがん)と彼岸(ひがん)の世界
仏教では、人が幸せになるには「此岸から彼岸へ渡れ」と説きます。この此岸と彼岸の世界は、つぎのように説かれています。自分の前に大きな川が流れている様子を想像してください。自分がいるほうを此岸と呼び、対岸を彼岸と呼びます。此岸は私たちが生きている世界、凡夫の世界です。煩悩にあふれた世界で、これを娑婆世界とも呼びます。これに対して、対岸の彼岸は仏の世界です。煩悩の炎がすっかり消えた涅槃の世界です。お釈迦さまは「此岸では人は真の幸せにはなれないので、彼岸へ渡りなさい」と説きました。これが仏教における基本テーマです。

○彼岸への渡りかたには2つの考え方がある。
仏教はその根本的な思想の違いによって「上座部仏教」と「大乗仏教」に大別されます。東南アジアで現在も繁栄しているのが「上座部仏教」であり、これに対して日本に定着した仏教は「大乗仏教」です。さて、ここで問題になるのが、それぞれの彼岸へ渡る方法です。上座部においては、川を渡って彼岸へたどり着けるのは出家僧として厳しい修行を積んだごくわずかな人々に限られます。これに対して、すべての人が渡れるようにその方法を説いたのが「大乗仏教」です。この両者の思想的な違いはとても重要なことです。ですから仏教の理解を進めるにあたっては常に意識しておく必要があります。

十夜会厳修いたしました

2016年11月13日

小倉南区 護念寺 萩原正悦師

今年最後の通常法要(十夜会)が10日に無事終了しました。心配したお天気もまずまずで穏やかな一日でした。 今回のお説教師は福岡県小倉南区 護念寺住職の萩原正悦師です。まことにありがとうございました。

山寺では、春(彼岸会)と秋(今回の十夜会)に、外部よりお説教師をお招きしますが、 小寺なので聴衆者の頭数は毎回大したことありません。 一見すると大変もったいない行事に思えるかもしれません。 しかし、これはこれで、こじんまりとした法要ならではの良さがあります。 それは、お説教師と聴取者の距離がとても近くて、お話をしっかり聞くことができることです。 マイクなど不要の会場です。互いの表情も手に取るように解ります。 私も時々皆さんの前でいいかげんな講釈を垂れることがありますが、まっとうなお説教(?)というか、 要するにちゃんとお勉強されてる一流の説教師の話しが聞ける機会は貴重なことです。 今回、萩原師のお説教を聞かせて頂く機会を得た我々は、素晴らしいご縁に恵まれたのであります。 そのことに改めて感謝したいと思います。 合掌

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