こだわり住職のよもやま話

今年は本当に寒いですね

2011年01月12日

法然上人800年御遠忌を告げる.jpg

みなさん開けましておめでとう御座います。本年最初のアップがずいぶん遅くなりました。申し訳ありません。今年もマイペースでブログを書いて行こうと思っております。よかったら時々覗いて下さい。

年末からずっと寒い日が続いています。山寺の大晦日は雪になりましたし、松の内が過ぎても相変わらず冷たい雨や雪の日ばかりです。本日も朝に雪が降りました。昨年末は立て続けに葬儀があったので「きっと今年はおひまでしょうね」と思っていたら、お正月そうそうに檀家の村上 栄さんの葬儀を厳寒の中で行うことになりました。故人は長年地元の消防団長を務められておられ、その社会貢献に対して叙勲を受けられておられました。お葬式の遺影はその際の正装姿で実に素晴らしいお写真でした。こういうケースを目にすると、人間いつお葬式になるかわかんないですから「写真をきちんと撮っておいたほうがいいかなー」なんてつくづく思いました。

話は変わりますが先日息子と二人で京都まで日帰り出張をしました。新幹線での移動でしたが、その日も雪だったので終日ダイヤは乱れていました。いよいよ息子も高校卒業です。幸か不幸か一応わが宗門のお坊さんの資格を得る道に進むことを承諾してくれたので、春から彼は京都で一人住まいとなります。それで彼のねぐら(?)を確保するために出向いたのです。不動産屋で学生向けアパートの物件を見させてもらったのですが、私が学生だったころに比べると、その変わりようには驚きます。

三十年以上昔の話ですから比べたって仕方ないのでしょうが、私など四畳半一間の風呂無し激安物件、家賃は今でもよく覚えている驚異の三千円/月なんていう超ボロアパート(正確には長屋だな)に住んでいたものですから、今時の物件を見させて頂くと、いずれも御殿みたいなものでした。トイレとお風呂はビジネスホテルと同様のユニットバス。エアコンはしっかり付いていますし、地デジ対応でインタネーット接続環境も完備が当たり前です。床はフローリングが主流で衣類等の収納(クローゼット)等も完備です。羨ましいったらありゃしない。いろいろあった物件の中でも、ほぼ最安値に近い学生向けアパートで我慢してもらうことにしましたが「仁志君、住む所に贅沢をすると他のことにお金が使えなくなるから、これくらいでガマンした方がいいよ」だなんて、親父の口車に思いのほか素直に乗ってくれました。「あーめでたしめでたし」であります。こう書くと私がとても苦学したみたいに聞こえますが、実際のところは他のことにお金が使いたくて住居費を超節約していただけです。私の経験からすると住むところは静かな所であればさして気にすることは無い、優先順位は低いと考えるからです。それよりも自分のしたいことや必要と思うことに使えるお金を確保しておいた方が絶対充実した学生生活が送れると思っていたからです。いつまでもそこに住む訳じゃないのですからね。

我が家は妻と結婚して以来ずっと狭い公団アバートに住んでいます。今は四人家族ですからすでに手狭でどうしようもない状態です。とても他人様に見せられるような状態ではありません(笑い)ですから本人にとって京都での一人暮らしは初めて自分だけの部屋を得ることになるのです。この程度でも彼にとっては素晴らしい環境なのです。住居に関して贅沢を知らないで育った我が息子は、こういう時には実にありがたい存在です。これで今春から私は所用で京都へ出向いた時に息子のアパートへ転がり込むことが可能になります。ビジネスホテルの予約などしなくてもOKです。一番喜んでるのはこの私なのかもしれません。

さて無事息子の住まいが確保できたので、ついでに本山へ立ち寄ってみました。今年は宗祖法然上人八百年御遠忌(上人の八百年回忌)の年です。総門前にはすでに四月十九日から七日間にわたって開催される御遠忌の告知が高々と掲げられていました。ご覧の通り実に古典的な形をしています。写真では解りませんが、この看板はとても大きなものです。本山の随身学生(住み込み修業中の若い僧侶)たちが法要の度にこの大看板を立てるのですが、これがけっこう大変な作業です。

本日も本堂でこの記事を書いていますが、実に寒いこと。もう降参します。

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