平成22年も残りわずかとなりました。財団法人日本漢字能力検定協会が毎年師走の「漢字の日」に発表している「今年の漢字」は「暑」でしたが、確かに今年の暑さは異常でしたね。清水寺の貫主さまが巨大な色紙に今年の漢字を書き上げられるニュースはすっかりおなじみとなりましたが、その映像を目にする私の感想は「なんと見事な書なんだろー」とただただ感心するのみです。さすがに清水寺の貫主さまです。書の神様(仏さま?)に思えて来ます。ごつい筆で一気に書き上げられるそのご様子を見ていると、「立派な衣が墨で汚れはしないだろうか?」などと誠に俗っぽいことをついつい心配してしまいます。私も時々坊主衣装の姿で塔婆を書く事があるのですが、これまで何度しくじったことでしょう。貫主さまがお書きになった書はその後、清水寺「奥の院」のご本尊・千手観世音菩薩に奉納されます。いわばこの儀式(法要)が最終的な目的であり一番重要なのですが、ついついそんなことよりも「墨が飛び散って衣が」などと目先の事が気になってしまいます。今年も相変わらず見事に「在家の人」のままで私は晦日を迎えるようです。
さて今年をふりかえると、私の一字は「驚」になります。この一年は予想外の出来事ばかりでした。今年は、いや今年もさまざまな事がありましたが、驚く事が実に多かった。春には思いがけない大雪に見舞われて慌てました。
7月には歴史的な豪雨により、大日堂を失うという光明寺にとっても歴史に残る大事件が発生しました。その後の記録的な猛暑もすごかった。その影響もあったのでしょうか、晩秋以降になると葬儀が次々に発生して多くの檀家さんをお見送りすることにもなりました。山寺のお坊さんになって以降、なんだかんだでこんなに忙しい一年を送った年は初めてでした。プライペートでも殺生坊主の記録更新があったりして、まさに「驚きました」の連続でした。来年は平穏な年になるとよいのですが、こればっかりは解りませんね。
今夏は猛暑でしたが、この冬はとても寒くなるらしい。師走に入ると境内の水盤に氷が張る日が見られるようになりました。本日は晴れていますが、今現在(お昼過ぎ)の本堂の室温は5度です。山口県の山間部はホワイトクリスマスになるかもしれません。受付テーブルに置きっぱなしのPCでこの記事を書いていますが、寒くて風邪を引きそうなのでもう切り上げます。