こだわり住職のよもやま話

印象に残る十夜会でした

2018年11月12日

平成30年十夜会前日

昨日(11月11日)山寺の十夜会が開催されました。境内のモミジは見事に色づき、本堂前にはイチョウの絨毯が広がる絶好のタイミングです。お天気も上々で、この上ない法要日和りでした。ただし、少々課題も残りました。日曜でしたから他の行事や皆さんの都合と重なってしまったようです。いつものメンバーの欠席が目につきました。せっかくお説教師に来てもらってるのに、これではもったいないです。来年は平日開催にした方が良いかも知れませんね。

今回のお説教は行橋市 福正寺 松岡隆法師です。これまで様々な方の話しを聞かせて頂いていますが、結論から申し上げると実に印象に残るケースとなりました。よって本日はその辺りの事情についてふれてみます。

福正寺 松岡隆法師

大ざっぱな表現ですが、今回の松岡師のお説教を私なりに一言で表現すると ‘’親しみやすさ全開のしゃべり‘’であります。ほぼ婦人会の寄り合い状態の聴衆者(?)と近所の兄さんが、なんだか実に楽しげに会話をしてる風(?)のお説教だったと思います。皆さんの笑い声が庫裏まで何度も聞こえて来ていました。(もちろんお坊さんのお説教ですから真面目な話しもしっかりありですけどね)

松岡師、どうやら命の尊さについて話されたようです。私たちは他の命を頂いて(奪って)生きている存在だということを忘れてはいけないのですが、その辺りの話しがとりわけ心に響いた檀家さんがおられました。法要終了後に自宅から引き返して「ぜひ今日のお説教師さんに渡して欲しい」と、なんとジビエ肉を持参されたのです。翌日に他寺で私が再び松岡師と顔を合わせると聞いて持参したのだと言います。

これって、まるで法然上人の逸話と同じです。殺生を生業とする漁師が上人の言葉に救われたように、狩猟を行う夫の妻が松岡師のお説教で救われたのです。きっと心の何処かに引っかかっていたものが一挙に取れたのでしょう。実に晴々とした表情でした。よかったですね。ありがたいことです。

平成30年11月10日

さて、本日の私はジビエ肉を自前のクーラーに詰めて快友寺の十夜会へ出向くことになりました。松岡師にシカ肉を渡して今年の十夜会は完全に終了です。

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