こだわり住職のよもやま話

一周忌に思う

2012年03月10日

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一年前、私は「被災者のみなさんに救いをもたらすのは、数え切れない多くの人々の思いと具体的な行動であり、そして、そこから生まれる感謝の思い、ありがとうの心が、明日への希望につながるのだと信じたい」と書きました。振り返るとなんと早い一年だったことでしょう。明日は被災された人々のために、「何が出来、何が出来なかったのか」と自問する一日になります。

あの大震災は、おそらく日本人の価値観や人生観に大きな影響を与えたはずです。僧職にある私にとっても、これほど菩薩道を意識させられた一年はありませんでした。年頭に頂いた御法主の「おことば」にも、「そもそも我が宗の御教えは、阿弥陀仏の大慈悲心をいただいて菩薩道を実践する所にあります。」と、見事なまでに簡潔明瞭なご教示がありました。それなのに、現実は「大したことも出来なかった...」と、後悔の念が強く残ったまま特別な日を迎えようとしています。

明日は多くの方々の一周忌です。あらためてみなさまのご冥福をお祈りし、私なりに出来ることを模索する再出発の日にしたいと思います。

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