やさしい仏教講座(第15回)
2019年06月06日
○小欲や無欲では幸せにはなれない。
前回お話した本当の幸せの方程式(幸せ=知足÷少欲)https://koumyou-ji.or.jp/voice/archives/229で大切なことは、「少欲」つまり欲を少なくすることです。決して欲がない「無欲」ではないことに注意して下さい。分数の計算は「無欲」、すなわち「0」では割れません。「無欲」では幸せの方程式は成立しないのです。そして、少欲は小さい欲という意味の「小欲」でもありません。
ここでまた上座部仏教をひきあいに出すのですが、彼らは「少欲」を「小欲」と解釈しました。だから欲を小さくしなさい、何もかも捨てなければダメだ、裸になれ、煩悩をなくしなさいと説きました。しかし、欲が小さい人が幸せかというと、決してそうではありません。「小欲」でも満足できない人がいるからです。
○欲(煩悩)が大きい人ほど幸せになりやすい
一方、大乗仏教では欲をほんの少し少なくすればよいと説きました。その時、欲が大きいほど少なくする量も比例して大きくなります。大きな「煩悩」をもっている人ほど、欲が転化され昇華されたときに生じる幸せは大きくなります。だから欲(煩悩)が大きい人ほど幸せになりやすいのです。どうです。屁理屈でしょうか?