こだわり住職のよもやま話

2017年1月

やさしい仏教講座(第8回)

2017年01月29日

雪の光明寺

○お釈迦さまの夢を忘れた上座部の僧侶たち
お釈迦さまは川を渡る専門家たちに「出家せよ」と説きました。なぜなら川を渡るには、よけいなものを付けていては泳げないからです。服を着たり財産などをぶら下げたままでは広い川を渡るのは無理です。妻子も捨てて「裸になりなさい」と教えました。やがて、出家した者が渡りきったあとには、必ずすべての人々が救われる橋がかかります。お釈迦さまは、のちに人々を導く役目をこの出家僧たちに託したのです。ところが、お釈迦さまの没後、長い年月が経過すると、出家僧たちは自分たちが川を渡りきったときに、お釈迦さまのこの夢を忘れてしまうようになりました。自分たちが到達できれば、もうそれでよいと思うようになったのです。

 

○上座部仏教における此岸は「苦」に満ちた世界
お釈迦さまは、此岸にすむ私たちは真の意味での幸せはない、幸せにはなれないといいました。その理由を、上座部仏教では此岸が苦に満ちているからだと考えました。その苦とは「生・老・病・死」の四苦と、「愛別離苦」「怨憎会苦(おんぞうえく)」「求不得苦(ぐふとくく)」「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」という四つの基本的な苦が私たちを悩まし苦しめているからだとしました。「愛別離苦」とは、愛する人と別れる苦しみです。「怨憎会苦」は、恨みや憎しみを観じる相手と出逢う苦しみです。「求不得苦」とは、物質的な欲望が満たされない苦です。「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」の「五蘊」とは、肉体と精神を5つの集まりに分けたもので、精神的、肉体的にさまざまなものに執着することで生じる苦です。これが、よくいわれる「四苦八苦」です。

 

大寒らしい一日でした(御忌会)

2017年01月20日

平成29年御忌会歎徳之疏

御忌会が終了しました。毎年のことではありますが、やはり大寒の行事は特別です。今年も境内のハス池は見事に凍りつき、小雪まじりの強風が終日吹き荒れました。しかし、おかげさまで本堂の中は極楽でした。それもこれも2013年(平成25年)に本堂が建て替わったからなんですが、実は昨年末に究極アイテムのエアコンが設置されたのは決定打でした。そりゃーもー快適なこと。

なぜこうなったかというと、法事や葬儀で本堂の利用が急増したので、空調の必要性を強く感じるようになったからです。これまで暖房は石油ファンヒーターで夏期は天然クーラーでした。昔の本堂に比べれば、そりゃ月とスッポンなのですが、いかんせん冬期は度々給油作業が必要になります。これが結構めんどうなんです。しかも、大抵、急いでいる時に灯油の在庫切れで慌てふためくことになる。

それから、建て替えで一回り小さくなった本堂では、ファンヒーターを配置するスペースでさえ貴重だという事情もありました。夏は夏で、本堂での通夜は虫の侵入に悩まされます。こういう問題(贅沢な悩みですが・・・)を解消するには、やっぱりエアコンしかありません。幸い本堂再建の資金が少々残っていました。総代の勧めもあって思い切って設置しました。結果、皆さんには喜んでもらえるし坊さんも嬉しい。実にありがたい山寺の贅沢品です。

平成29年御忌会お説教

話しがすっかりそれてしまいましたが、今年の御忌会も昨年同様に組寺の舜青寺住職にお説教をして頂きました。今回で三度目の登板です。有り難うございました。さすがに来年は自分でどうにかしないといけないでしょうね。

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