こだわり住職のよもやま話

2016年7月

やさしい仏教講座(第1回)

2016年07月22日

光明寺のハス

○仏教はだれの教えなのか

仏教の開祖はお釈迦さまです。だから簡単にいうと、仏教とはお釈迦さまの教えといえます。仏教の仏(ブツ)とは「仏陀」のことです。「仏陀」とは「目覚めた人・悟りをひらいた人」という意味です。「仏陀」を省略した言葉が仏(ブツ)で、それを訓読みすると「ほとけ」になるわけです。

さて、お釈迦さまは真理に目覚め悟りをひらかれたので「仏陀」と呼ばれました。ですから、お釈迦さま=仏陀であり、お釈迦さまの教え=仏陀の教えであるわけです。しかし、日本においてはもう少し広い意味を持ちます。日本の仏教は「大乗仏教(大きな乗り物の仏教)」と呼ばれ、その思想は「仏陀」を超越的存在としてとらえ、お釈迦さまは「仏陀」の化身として、この世に現れた存在なのだと考えます。そして、お釈迦さまだけでなく阿弥陀如来や薬師如来なども、おなじように真理を説く仏として崇拝します。そのため仏教は必ずしもお釈迦さま個人の教えとは限らず、「仏陀」という特別な存在、すなわち「三世十方におわします仏」が説く教えでもあるわけです。そういうわけで、仏教はだれの教えかと問われれば、「仏陀となられたお釈迦さまが説いた仏の教え」あるいは、読んで字のごとく広く「仏の教え」ということになります。

刑事ドラマなどで殺害された被害者を「ガイシャ」と呼んだりしますが、たまにベテラン刑事が「仏さん」と呼ぶこともあります。これは日本仏教、なかでも浄土教において、亡くなった人は阿弥陀如来のおられる「お浄土」に生まれ変わり、やがて仏(仏陀)になるのだと考えられていることから来ているのです。

 

※おことわり 当コーナーは今後定期掲載を予定しています。私なりの意見も述べさせて頂くつもりですが、私が最初に熟読した仏教入門書であり、一般人にとっては一番解りやすいのではと考えている市販書籍から抜粋した記述も多くなります。さらに詳しく知りたい方は、主婦と生活社より発行された、ひろさちや氏監修「仏教早わかり百科」を参照してください。

 

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