こだわり住職のよもやま話

追加工事始まる(本堂)

2014年06月05日

向拝虹梁取り付け.jpg

本日から本堂の追加工事が始まりました。この工程が終了すれば240年ぶりとなる建てかえ工事は一応完了です。ところで山寺はすでに昨年のお盆前、8月3日の施餓鬼会で新本堂の完成披露をちゃっかり済ませています。しかも「とりあえず完成しましたのでご報告を兼ねて」なんて調子の行事でした。本来は落慶法要という特別な行事を開催するのがまっとうなんですが、小寺ではなんと言っても先立つものがありません。それで通常の行事にひっかけて超緊縮予算でやっちゃいました。それでも、山口県民の大好きな餅撒きだけは盛大にやりましたから、皆さんには随分喜んで頂けました。こういうのを「結果オーライ」っていうんでしょうね。

海老虹梁設置.jpg

思えばあれからもう十ケ月です。ようやく追加工事の運びとなったのは、工事を開始する時点では最終的にどれくらい浄財が集まるか解りませんから、用心のため少々変則的な設計にしてもらっていたからです。通常お寺の正面階段上部には豪華な彫刻等が施されたひさしが設けられます。専門用語で「向拝」(こうはい又はごはい)と呼ばれる特別な屋根組で、いわば本堂の顔みたいな部分です。立派なお寺になるとそりゃ見事な造作が施してあります。だから、やっぱ重要な意匠なんです。ただし、この部分だけでも大変な費用がかかります。どの程度のものにするかだとか、そもそも付ける付けないとか、これがあると無いでは予算は大違いです。そういう事情があって、山寺は後回しにしていたんです。「お金が足りるかどうか解らんし、とりあえず向拝無しで建てといて余裕があったら追加しようかね」ってあんばいでした。これが完成しましたら山寺もかなりまっとうな姿のお寺になれるでしょう。本当に楽しみです。

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