こだわり住職のよもやま話

法事の際のお香について

2009年12月01日

回し香炉(焼香).jpg

年回忌供養等の法事を自宅で行う際には、普段使いのお線香ではなく炭と焼香用のお香を必ず用意しましょう。これを忘れると大変困ります。ご家庭の小さな香炉に多数の参列者が線香を立てることは出来ません。だから炭で燃やすお香、すなわち「焼香」の用意が必要なのです。それと、香炉を載せる小さなお盆も用意しておきましょう。焼香の際に香炉をお盆に載せて移動させる「回し香炉」にするのです。参列者が移動しなくて済むので狭い室内では助かります。移動が難儀な方へは、身軽な方がお盆をお持ちして差し上げれば焼香が容易になります。

私は読経を始める前には必ず「焼香のタイミングまで、どうぞ姿勢はお楽になさっていて下さい」と、ご案内します。また、女性や高齢の方にはイスの利用をおすすめします。長時間正座を続けるのは誰でも苦痛なことです。僧侶のくせに未だに正座が苦手なこの私こそが、そのつらさを一番よく知っているからです。無理をして正座を続けていると「あいたた、足がしびれて来た」「あー早くお経が終わらんかなー」となります。私もお坊さんになるまでは法事の際にはいつも時計ばかり気にしていました。しかしそれはとても不幸なことです。いっときの間ではありますが、縁者が集い亡き人を偲び、その供養のために仏のご縁を頂くのが「ご法事」です。その貴重な機会を得ているのに、正座で心が乱されるのはまことに残念なことです。だから無理をして正座をするべきではありません。あぐらを組もうがイスに座らせて頂いていようが、肝心なのは残った者がその人のことを思い心穏やかな時を過ごすことが肝要なのです。それが功徳を積むことであり追善供養になるのです。たとえ改まった姿勢で臨むのが焼香のその時だけだとしても、仏はお許しになるはずです。

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