こだわり住職のよもやま話

2019年04月

個人的なモヤモヤですが(新元号の書体)

2019年04月24日

新年号の発表

先般新しい元号が発表されましたが、ライブで見られた方も多かったことでしょう。私もその一人でしたが、官房長官が掲げた墨書は見事なものでした。これが今後は毛筆のスタンダードになりそうですね。でも違和感というか、小さな疑問も湧いてきました。毛筆の場合、普通は明朝体の字形では書かないものです。(...でしたと書くべきか?)なぜなら、いろいろ事情があって(活字用途で)楷書体や教科書体を一部省略したのが明朝体だからです。ところが今回の歴史的な墨書は明朝体風の令で発表されました。それで「えっ、こっちですか?」となったのです。

ひとやねの下に一つ点とマのレイ(学校で習うレイですね)で書かれていないのは何故でしょう?そりゃ間違いではありませんが、それでも、なんとなくモヤモヤするのは私だけでしょうか?何か意図でもあるのでしょうか?

今日、私たちが普通に目にするのは明朝体やゴジック体です。手書きが前提だった楷書体や教科書体は今や例外的(?)な字体です。だから、これからの時代は「手書きもこっちが本命ですよ」と言うことでしょうか?深読みし過ぎか.....。

ついでの話しですが、今日新聞など多くの印刷物で用いられている明朝体の定着には仏教が大きな役割を果たしました。元は経典を印刷するために版木に彫りやすい字形として発生した書体です。日本にこれが広まったのは、江戸初頭に黄檗宗の鉄眼道光禅師が一切経の開版の際に用いたから(明の朝廷=明国から伝わった書体だから明朝体)です。一行二十字、一紙四百字の原稿様式も、この一切経の出版によって確立しました。

 

恒例の同行人会へ行って来ました。

2019年04月11日

平成31年法脈相承

4月2日、同行人会出席のため本山を尋ねました。厳しい修行に耐えている後輩たちに、心ばかりの差し入れと「がんばれ、がんばれー」と念力を送る為(?)に我々は毎年集合します。私にとっては何をおいても優先すべき行事です。己の人生において、おそらく最も純粋な心で過ごしたあの時間を振り返るために、万難を排して駆けつけます。

平成31年4月2日本山での水行

あれからすでに15年が経過しました。すっかり煩悩にまみれた日々を過ごしている私にとって、毎年この時期に本山を訪れることは、みそぎなのです。今もこの会が続いていてくれること、集まる同行の仲間がいることに心から感謝しています。

さて、本山訪問のおみやげは今年も御影堂の受付で頂ける御朱印です。すっかり恒例になりました。担当の職員さんは3人が交代で対応されているとのことでしたが、初めて御朱印を頂いた3年前から、すべて写真の森 健一さんの日に我々は訪問しています。これもご縁ですね。例によってお経本のカバーに書いて頂きました。

本山御影堂御朱印担当 森 建一氏

今回、森さんの経歴を知る事ができました。かつては長岡京市の秘書課長であられた。なるほど、やはりそうでしたか。見事な筆使い。納得であります。ありがとうございました。

平成31年4月2日 本山御朱印

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