こだわり住職のよもやま話

2017年6月

充実した講習会でした(大成功)

2017年06月10日

先日(6月2日と3日)宗門の大規模な勉強会(平成29年度西山浄土宗西部地方教学講習会)が地元で開催されました。結論から申し上げると、素晴らしく充実した講習会になりました。それで本日はその時のことを報告したいと思います。

さて、この講習会ですが、毎年山口、福岡、大分の各地区持ち回りで開催されており、今年は山口が当番(運営担当)でした。内容は講習会のタイトルにもあるように、我が宗派の教え(教学)に関する難しい講義(?)が必ず実施されます。さらには坊さんにとって役立つであろう講義、あるいは坊さんならではのニーズに応える講義等が開講されます。要するに我が宗門の坊さんにとっては非常に重要な勉強会です。当番となる地区は1年も2年も前から講師の確保に苦心遁走することになります。なぜなら成否の鍵をにぎるのはなんといってもどんな講師を迎えるかにかかってくるからです。幸いなことに、今回我々は素晴らしい講師をお招きすることが出来ました。よって今年の講習会は大成功となったのであります。(自画自賛です)

高城宏明先生(宗門校教授)

では早速内容にふれたいと思います。教学に関する講義は本山より派遣される講師により実施されるのですが、今年は私が坊さんになる為の修行中にお世話になった高城宏明先生(宗門校の教授)の講義でした。演題は「曼陀羅相承」についてでした。高城先生の講義(授業?)は実に14年ぶりです。当時、めちゃくちゃ眠いのを必死で我慢して講義を受けていた記憶が鮮明に蘇りました。

すべて涅槃図です

上の写真はお招きした外部講師のお一人で、竹林史博 師による涅槃図の絵解きの一場面です。師は山口市阿東町 龍昌寺(曹洞宗)のご住職で、涅槃図の研究者として有名な方です。(ちなみにアマゾンで検索すると著書が多数出てきます)ご存じの通り涅槃図はお釈迦様が入滅された場面の絵図ですが、描かれた時代や絵師の系統等によって、さまざまな違い(描き方の特徴等)があり非常に奥が深いものです。今回我々はがんばって涅槃図をかき集めました。これくらい並ぶと実に壮観です。そして、それぞれの涅槃図について第一人者の詳しい解説を聞けるとくれば、坊さんにとっては否応なしに興味をそそられるわけです。ご覧の通り(下の写真)みなさん実に食いつきがよろしかったですね。(笑い)

涅槃図の解説に食いつくお坊さんたち

もう一人の外部講師は、前下関市立川中中学校長 児玉典彦先生による「命と向き合う」と題しての講演でした。児玉先生は下咽頭がんにより肉声を失いながらも人口喉頭器を使って道徳の授業を行う校長先生でした。今は退職され講演活動に専念されています。実は事前に妻から「いい話をされるよ」と聞いていたので楽しみにしていました。実際、その講演は期待以上のものでした。とりわけ驚歎させられたのは、自身の闘病体験談を交じえながら仏教の教えに鋭く切り込まれた部分です。それは見事な仏教法話でした。聞かせて頂いた私は坊さんとして完敗でした。録音しておくべきだったと非常に後悔しています。

児玉典彦先生の講演

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