台風12号のおきみやげ
2011年09月05日
2011年09月05日
2011年08月23日
8月3日に山寺の施餓鬼会が無事終了すると、その後の私はお盆が過ぎるまで連日組寺の施餓鬼会のお手伝いに出向いているか、或いは檀家さんのお宅で棚経のおつとめをしているかの毎日でした。今年の暑さは、昨年よりましだとは思いましたが、毎年この期間中は運動不足の中年にとってはひどくこたえます。連日の猛暑のさなか棚経のおつとめで檀家さんのお仏壇の前に次々と座ることになりますが、一番つらいのはその際の正座です。棚経最終日ともなると膝はすでにボロボロです。檀家さんのお宅を訪れると、まれにしまい忘れた冬物の座布団が出ているケースがあります。それを見つけると私は嬉しくて思わず「やったー」とつぶやいています。だって夏座布団よりも明らかに膝の痛みが違いますからね。私にとって棚経は僧侶資格を頂くために受けさせて頂いた本山での厳しい修行(加行・けぎょう)を、毎年思い出させる見事な苦行(?)なのです。
こう書くとなんだか大変な件数をこなしているように聞こえますが、私のやっている棚経なんて、大寺の住職さんから見れば楽なもんでしょう。組寺にはものすごい件数をこなされておられる住職もおられます。そんなお寺に比べれば、私は相当楽しています。しかしそれでも私が毎年の棚経を苦行と感じてしまうのは、山寺の棚経は一軒一軒での読経時間が少々長いという事情(良くいえば丁寧、単に長いだけか)と、読経が済んでもすぐ次のお宅へというわけには行かないという事情があるからです。家によっては一年ぶりにお会いするケースもあります。どうしてもひとしきり、お話をうかがうことになります。実際一人暮らしのお宅などは、軒並みおしゃべりするのを楽しみにして待っていて下さいます。だからどうしても一軒に時間がかかってしまう。よって件数は少なくても正座の時間は長くなるのである。
今も昔も正座が苦手な私は最終日にもなると膝はすでに悲鳴を上げています。今年も実に厳しかった。坊さんがそんなことじゃダメなんですが、残り数軒となると頭の中はかってにカウントダウンを始めています。今年の取りは岸田幸子さんのお宅でした。こららも独居のお宅です。遠慮を知らない私は用意してくださった飲み物と果物を頂きながら、ダラダラ時間を過すのであります。そのくせ、こちらのお宅でのおつとめが無事終了し、戸口で帰りのご挨拶を口にした直後には、「あー、ついに終わったぞ-」と心の中で歓喜の雄叫びを上げていました。毎年こんなことを繰り返しています。
2011年07月25日
先日ノートバソコンを更新しました。ついにというか、ようやくというか、山寺にも待望のWindows7搭載マシンが導入されました。新戦力は富士通の法人向けモデル(LIFEBOOK E741/C)です。一応、A4ワイド画面のハイエンドノートということになります。 E741/Cというモデルは、今や絶滅危惧種となった親指シフトキーボードが、オプションで装着出来る貴重なノートパソコンです。発注時に好みの仕様に指定することが可能ですから、最新のCPUを搭載することも出来ますし、フルハイビジョンの液晶画面を選択することも出来ます。ビジネス用のPCですから、セキュリティー関連のオプションなどは特に充実しています。ただし、基本的に企業内での使用を前提にしていますから、個人ユーザー向けの最新トレンドからは、少々かけ離れている部分もあります。今時のパソコンだと、お約束となるTV視聴や録画機能なんてのは完全に無視です。 内蔵スピーカーもショボイ音しか出ません。際だって目に付くのは、HDDの容量が超少ないことです。160Gが標準で、オプションで変更できる最大容量は320Gです。ビジネスモデルに「大容量は必要なし」ということなんでしょうが、それにしても標準仕様の160Gは少なすぎです。まあ、HDDの容量に関しては、ドライブを自分で載せ替えれば良いのですから許せます。今やノートでも、テラバイトのHDDが内蔵出来る時代です。TV機能も、必要なら市販品を後付けすればよい。しかし、搭載されているUSBポートは問題でした。たぶんこれが、E741/C最大の弱点だと思います。
ご存じの通り、USBはすでに3.0規格が主流となって来ています。ところが、このノートは2.0規格のままです。今日では大量の動画データを保存するために、テラバイト単位のHDD(外付けの大容量)を利用することも珍しくありません。ところが、その接続に高速なUSB3.0が使えないのです。これまで使っていたノートは、当然3.0規格には対応していませんでした。しかし、サードパーティーの拡張カードをPCスロットに刺すことで、USB3.0を使うことが出来た。ところが、今回のE741/Cは、PCカードスロットが高速規格に対応しておらず、拡張カードでの増設も不可です。なんと先代よりスペックダウンです。これにはがっかりです。というか、大いに不満です。でも、今のノートを使い続けていくのも不安があります。PCなんて突然壊れるものですからね。それで泣く泣く調達した次第です。私のような絶滅危惧種愛好家が、外付けの大容量HDDを、USB3.0接続の高速転送で使いたい場合には、「ディスクトップPCに、富士通が出している親指シフトキーボードの組み合わせで使用して下さいね」ということなんでしょう。でも、それだと場所をとるので具合が悪いのです。富士通さん、どうしてE741/Cをこんな仕様にしたんでしょう。ビジネスモデルではありますが、少々割り切りが良すぎます。それと、もうひとつ、忘れちゃいけないのが価格です。親指シフトユーザーは、選択の余地がありません。富士通の言い値で購入するしかないのです。本来、E741/Cは企業向けに大量一括販売が主流のPCです。そういうときには、けっこう値引きがあるんでしょうが、個人購入となると、ずいぶん割高なことがしゃくに障ります。ほぼ同スペックの一般的なノートなら、5~6万は安く買えるんじゃないかな。こうなると、この割高感は「絶滅危惧種を保護するための義援金も含まれているのだ」と思うしかないですね。(笑って下さい)
さて、新しいPCを入手したというのに冒頭から不満タラタラですが、実は良いこともありました。(一応今年の夏モデルデですからね)それは、内蔵のDVDマルチドライブが、著作権保護対応になり、外部ディスプレーの出力がHDMIになったことです。私にとっては大きなメリットでした。先代はデジタル放送の録画DVD(著作権保護されている映像)を、内蔵ドライブで再生することはできませんでした。ドライブ自体が著作権保護に対応していませんでしたし、再生ソフトも未対応のバージョンでした。新PCにはDVDの再生ソフト(OEM版)が添付されています。そのままでも問題はないのですが、フルセットのWinDVD最新バージョンを直前に入手していたので入れ替えました。久しぶりのソフト更新です。これで衛星放送のダビングDVDも、ノートパソコンで問題なく再生できます。その映像をプロジェクターで投影して、大画面で鑑賞することも可能になりました。しかも、接続は、これまで望めなかったHDMIコード1本でOKです。(映像と音声データを両方送れる)同様に、今時のハイビジョンTVもHDMIコード1本で接続できますから、自宅のTVが巨大なディスプレイ代わりにもなります。娘や妻のノートパソコンでは早くから可能であったことが、ようやく私の絶滅危惧種でも実現しました。
山寺の坊さんは、お説教の材料としてビデオ映像を見て頂くことを時々やります。サラリーマン時代に、研修等で毎度おなじみだった手法です。自分の経験からして「皆さん退屈しないで良いでしょう」と、思うからです。ですから、プロジェクターはけっこう活躍しています。例えば、本山が開創800年の記念事業として作成したビデオの上映会などは大好評でしたね、。四季を通して本山のことが詳しく紹介されています。流れる映像や音楽は、プロがきっちり制作したものですから実に見応えのある作品でした。このビデオ(VHSです)から、オリジナルのDVDをこしらえて、プロジェクターで大画面に投影しました。さながらミニ映写会の様相でしたが、本山へ行かれたことのある方は限られるので、とても喜んで頂けました。今後も、こういうのをやりたいと思っています。ただし、問題は皆さんに見て頂く映像ソースの入手です。その有望株として、私は衛星放送に期待しています。よく見れば仏教関係の素晴らしい番組が結構あるじゃないですか。最近だとNHKが放映した「法然上人絵伝」の特集番組など、実に贅沢な内容で、お勉強になりました。そもそも「法然上人絵伝」は貴重な国宝ですから、直接見に行っても細部までしっかり鑑賞することは不可能です。テレビだから、あそこまで詳細に見せて頂けるのです。録画しとけば何度でもしつこく見ることが可能です。素晴らしいですね。これを、ほっとく手はありません。皆さんにも、大画面でしっかり見せてあげたい映像ソースです。さて、今春は法然上人800年御遠忌の大法要がありました。まもなくその時の記録DVDが入手できる予定ですから、これなども、ぜひ皆さんに見て頂きたいと思っております。本山の大法要を直接目にされている方は限られますからね。
2011年07月25日
「自転車並み」といわれたノロノロ台風6号も去り、いよいよ本格的な夏が到来しました。本日も雲一つ無い快晴です。こうなると山寺はいよいよ恒例の「草刈りシーズン最盛期」に突入です。昨日は寺のそばにある休耕田をやっつけました。こう書くと、いかにも「やりました」って感じですが、なんてことありません。今回も「あきら菩薩様」のお世話になりました。
昨日は午後から本堂裏手の斜面を刈ろうと、草刈り機の準備をごそごそやっていました。すると絶妙なタイミングで昭さんがご来山です。軽トラの荷台には藤井家のスーパーウエポン(乗用型草刈り機)がしっかり乗っかっています。この草刈り機、実に良く仕事をしてくれます。休耕田の草刈りなんてあっという間です。ご覧の通り、散髪を済ませた田んぼは牧草地のようになりました。写真に撮ると意外と絵になります。残念ながらまたすぐに草ボウボウになってくるのではありますが、この瞬間の満足感はけっこうあります。
この休耕田の端っこは調整池になっていますが、昭さんが今春に苗を植えて下さった蓮華が少しずつ広がっています。今年は間に合わないかもしれませんが、いずれはしっかりはびこって見事な花を咲かせてくれるでしょう。楽しみです。それにしても昭さんはありがたい方です。やっぱ菩薩さんかもね?
2011年07月11日
7月9日、福岡管区気象台が「九州北部地方(山口県を含む)は梅雨明けしたとみられます」と発表しました。昨年の梅雨明けは17日でしたから、今年はずいぶん早かったですね。これでもう豪雨の不安からは解放されます。あーよかった。一安心です。しかし梅雨が明けたら明けたで、暑いから大変です。昨日私は汗まみれで実に長い一日をすごしました。朝からカンカン照りの中、あろう事か、お葬式のかけもちをしました。こんなこと初めてです。新仏はどちらも7日にお亡くなりになられました。通常なら翌8日に通夜、翌々日の9日に葬儀となります。それで、どちからかを一日遅らせて頂いて重複を避けたいところですが、あいにく7月9日は友引です。それでいずれも9日に本通夜式を行い葬儀は10日に行うしかありません。結局、枕経から始まる一連の法務は全てかけもちで対応することになりました。
山寺の葬式は、ある意味とても丁寧(?)に執り行いますから、僧侶(私)の拘束時間は長くなります。出棺後に火葬場へ同行するのは当たり前ですし、収骨にお付き合いすることも多くなります。故人がお骨になってご自宅へ帰られたら、まず仏壇の前で、きっちりおつとめを行います。その後さらに初七日法要を行って一連の法務がようやく終了となるのです。そういう訳ですから、本来同じ日に二件の葬儀は無理です。そうなんですが、今回はやらざるを得なかった。さすがに、火葬後のおつとめに関しては、先に葬儀を行った家には、後から行う葬儀の一連の法務が全部終わるまで待って頂くしかありませんでした。昨日はとても蒸し暑い一日でしたから、読経中も汗が吹き出します。法衣はたちまちぐちゃぐちゃです。かっこわるいので、あまりしたくないのですが、お経をよみながら流れる汗をタオルで何度も拭うことになりました。本当に疲れる一日でした。
ところで、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口は、暦の中でも有名な暦注の一つで六曜といわれます。この六曜ってやつは、本来仏教とは関係ありません。陰陽道を由来とするものです。明治の代になり、太陽暦の暦が使われるようになった際に、カレンダー屋さん(暦の出版業者)が記載しはじめた事で、すっかり定着したものです。そして、その六曜の一つに、なぜか「仏滅」なんてのがあったりして、まるで仏教由来の縁起かつぎの様になってしまったのですね。私も、お坊さんになるまでは「当然仏教由来なんだろう」と思っていました(笑い)だから、本当は友引の葬儀を避ける必要はないのでしょうが、そうは行かないのが我々「日本人」なのであります。おかげで(?)田舎の坊さんは大変な思いをしなければならないのです。ぼやいても仕方ないのですけどねー。
2011年07月04日
檀家さんの墓地が移転することになり、本日は早朝から工事に立ち会いました。場所は美祢西インターの南にある山中の共同墓地です。このあたりは大昔に真言伽藍があった所だと云われています。山寺の大日如来が安置された最初の場所であり、かって大日ケ浴と呼ばれていた谷間に隣接しています。ここには厚保地区で一番大きな共同墓地があります。すでに何度も訪れていましたが、先日ちょっとした発見がありましたので書いてみます。
この墓地へ登る道は現在でも複数あり、その一つに現在中国自動車道美祢西インターのすぐそばから進入する経路があります。インター入口の横から高速道路の下をくぐって南側に渡ると、厚狭川支流の原川が高速に平行して流れています。その川にかかる橋を渡って共同墓地へ登って行くのですが、これまで私は、その橋の名を意識したことはありませんでした。今回ふと目がとまって、思わず「あっ、そうだったのかー」となりました。橋の名前は”極楽橋“です。なるほどねー。これには合点です。このあたりの歴史的な背景を考えると、「きっと大昔からそう呼ばれていたんだなー」と納得した次第です。
本日はお昼前より雷が轟いて、どしゃ降りとなりました。幸い一時間弱で落ち着きましたが、一時はかなりヤバイ感じでした。昨年7月15日に山寺は歴史的な豪雨で大変なことになりましたから、雨が降りはじめるととても不安になります。さて、九州南部はすでに梅雨明けしていますが、今年の山口県はどうでしょう。もう少しの辛抱なんでしょうが、それまでは雨が降る度にドキドキすることになります。
2011年06月24日
昨日も暑かった。本日も強烈に暑いのであります。まだ身体が慣れていませんから体調を崩しそうです。今朝は車で一時間あまりの処へ中陰のお参りに行きました。場所はモモイロペリカンのカッタ君で有名になった常磐公園(宇部市)のすぐそばです。http://tokiwa.ube.ac/ 本日の法務は三七日のお参りでした。道中の車内はエアコンをしっかり効かせていますから大丈夫ですが、ハンドルを握る右手は差し込む日射しでじりじり焼けてきます。10時前だというのに宇部市の気温はすでに33度でした。こりゃーたまりませんなー。本日はメチャ暑い一日になること間違いなしです。お参りの後は実家へ戻って昼食をとりましたが、お昼のニュースを見ると秋田、山形、岩手などでは豪雨で大変なことになっています。その一方、雨が降らない場所では記録的な猛暑になっているではありませんか。どうやら各地で6月の観測史上最高記録が連発のようです。今年も昨年同様に強烈に暑い夏になるんでしょうね。あー今からため息が出ます。
たった今ネットのニュースを覗いてみたら「埼玉・熊谷で39.7度=今夏最高、6月初-熱中症に注意・気象庁」との見出しが出ていました。信じられない暑さです。皆さんホントに熱中症には用心して下さい。お坊さんのお世話になりかねませんからね。
2011年06月20日
インターネットのニュースを覗くと、゛九州・四国で激しい雨の恐れ、21日朝まで続く見通し゛の見出しが目に飛び込んできました。思わず昨年の悪夢(歴史的な豪雨災害)が蘇ってきます。昨日も日中に激しく降りました。今現在は小康状態ですが、空は厚い雲に覆われており、正午過ぎだというのにまるで日没前のようです。
本日は少々早い時間帯に本堂で年回忌のおつとめを致しました。施主と私の二人だけで営む実に静かな法要です。田舎の年回忌法要は、施主のお宅に親戚等が集まって賑やかに執り行うことが多いものです。しかし、毎度毎度は大変なので、今朝のように簡素な法要を適時織り交ぜます。こういうのを当地では「あげ法事」といいますが、これはこれで、なかなか良いものです。本堂でおつとめを行うのですから、キンスや木魚等の鳴り物は備え付けのでっかいヤツになります。堂内は実に静かですから私の読経もひときは響きます。きっとひと味ちがう(?)お経を聴いて頂けたのではないでしょうか。一般的に「あげ法事」は、お手軽コースなのではありますが、ことお経に関しては、ご自宅で行う通常の年回忌法要よりも、ある意味グレードアップした読経になります。しかも広い本堂で貸し切りですから、想像以上に味わい深い法要になるものです。こういうのもたまには悪くないですよ。
2011年05月22日
東日本大震災の直後から、企業CMは一切流れなくなりました。そして空いたこのCM枠を埋めるために、民放各社はACジャパン(旧公共広告機構)のメッセージ広告を流し続けました。それらのCMは大切なことを訴えていました。どのメッセージも良いこといってます。絶対に悪いことじゃないのです。でも私たちは、いわばお説教みたいなメッセージを連日聞かされ続けると、やはり嫌になっちゃいました。そう、「もう解ったから勘弁してよ」となりました。そして、やがてこの広告に対していろんな意見が吹き出して、何かと話題になったりしました。申し訳ないとは思いますがこれが世の常です。「絶対に良いこと、誰もが常に喜んで受け入れてくれる」なんてのは無いのです。人それぞれ状況は異なり受け取り方は違って来ます。これは仕方のないことです。
さて、今現在は、ほぼ通常に戻っています。ただし、いくつかの企業においては、今も被災者へのメッセージなどを前面に打ち出したCMを流しています。なかでも、サントリーが流しているメッセージ広告は実に素晴らしい。この企業の真摯な姿勢を見事にアピールしています。そのCMは、いわば「希望の歌」を有名人がリレー形式で歌い継ぐという異色のメッセージ広告です。私が子供の頃にヒットした「上を向いて歩こう」と「見上げてごらん夜の星を」の2曲を、さまざまな有名人が歌っています。まず、この選曲が見事でした。いずれも「明日への希望」を見事に歌い上げた坂本 九さんの名曲です。過去、この歌でどれだけの人々が勇気づけられたことでしょう。とりわけ団塊の世代にとっては忘れられない曲でしょう。その名曲をこのタイミングで取り上げたセンスの良さが光ります。しかも登場人物は総勢71人にも登ります。全員ノーギャラだといいます。すごいですね。サントリーは昔からウイスキーのCMで名作を出し続けて来た会社です。サントリー・オールドの有名なCMソングや、大原麗子さんの「少し愛して、長ーく愛して」のシリーズなど、懐かしく、そして素晴らしい名作のオンパレードです。うれしいことに、今ではYouTubeで検索すれば、それらを見ることも可能です。実に有りがたいことであります。最近では、本木雅弘さんと宮沢りえさん出演のお茶のシリーズ(伊右衛門)や、トミー・リー・ジョーンズさんの宇宙人シリーズ(ボス缶コーヒー)などの名作があります。サントリーは昔も今もCM企画力が飛び抜けて優秀です。だからこそ、今回こんなに素晴らしいメッセージ広告を発信することが出来たのでしょう。「サントリーは立派だねー」と声を大にして称賛したいものです。
2011年05月19日
今年の団体参拝の観光については、すでに永平寺と金沢兼六園のことを書きました。しつこいですが、またまた続編です。兼六園を後にした我々が次に訪れたのは、世界遺産の白川郷でした。ここは周囲を2千メートル級の山に囲まれた秘境です。まさに別世界でした。私の知っている場所で、似たような環境(秘境)といえば、平家の落人の里として知られる九州熊本県の秘境、五家荘あたりが真っ先に思い浮かびます。このあたりもすごいところです。なんと言っても道路事情が良くないので訪れるのが大変なんです。その点白川郷は、ついこの前開通した東海北陸自動車道の白川郷インターを降りたらすぐそこです。そして、その白川郷と高山市方面を結ぶ飛騨トンネルは10キロ少々あります。国内3番目の長さだそうです。このトンネルのおかげで、この地で生活している人々は、冬期でも安心して移動が可能になったのです。よかったですね。
さて、白川郷といえば、皆さんご存じの通り合掌造りの集落です。カメラを片手に散策しましたが、例によって私が一番気になったのは写真などでよく目にする茅葺きの民家群ではありません。集落内にある古いお寺の山門が実に印象深かった。真宗大谷派明善寺さんの門であります。(正式には鐘楼門と呼ぶ)ご覧の通り実に素晴らしい。まるで日本昔ばなしに出てきそうではありませんか。(例えが古過ぎるか?)本堂の屋根は現在葺き替え工事中でした。わが山寺もトタンを取っ払えばこれとほぼ同じですから、妙に親近感が湧いてきます。「維持管理は大変だろうなー」と、よけいな心配をする私でした。(生意気にも県指定の文化財と勝手に比べておりますが、現実は月とスッポンである。この身の程知らずがーであります)
白川郷でゆっくり時間を過ごした我々は、その後高山市内のホテルへ向かいました。お宿は「高山で一番のホテルですよ」と、ガイドさんも太鼓判を押す、高山グリーンホテル「天領閣」です。なるほど、おっしゃる通りでありました。ホテルの敷地内には充実した物産館(おみやげ店)もありました。広くて実に豊富な品揃えです。おみやげを選ぶのに目移りして困るほどです。この物産館だけを目当てに団体バスが次々と訪れるのも納得です。こちらのホテル、温泉も実によかったです。いいお湯でしたね。お約束の露天風呂も広くて快適でした。さすがJTBさん。いいホテルを押さえてくれていました。その夜は団体参拝旅行最後の宴会ですから、我々は思い切りアルコールを頂いて大いに盛り上がりました。
翌朝は高山祭りの豪華な山車を常時展示している屋台会館をまず見学しました。その後は高山の朝市と古い町並みの散策です。ぶらぶらしていると、軒先に下がる妙なものが目にとまります。酒屋さんが看板がわりに下げている、杉の葉を玉にした「酒ばやし」です。テレビや写真で見たことがありますが、実物を目の前にすると、まるで巨大なタワシみたいです。思わず触ってみたくなりましたが手が届かなかった。残念。
最後に訪れたのは、円空仏のお寺「袈裟山千光寺」です。円空仏は、ちょっぴり愛嬌のあるその独特の表情から、一度目にしただけでもしっかり印象に残る仏さん(仏像群)です。私も写真やテレビ番組などで知っておりました。しかし、それが沢山展示してある千光寺に関しては、ほとんど知識はありませんでした。千光寺の寺宝館には64体の円空仏が展示してありました。仏さんは有名なのに、なぜかお寺はあまり知られていないように思えます。私が不勉強なのではありますが、初めて訪れて、その理由が少し解ったような気がしました。今回我々は観光バスで訪問しましたが、山の中腹まで登る登山道が実に急傾斜で、しかも狭いのです。だから大型バスが大挙して訪れるのはかなり難しい。あのベテランガイドさんさえ「初めて訪れました」とのことでした。我々は、ヤサカ観光バス運転者さんの超絶テクニックで無事訪問することが出来ましたが、やはり、観光バスで訪れるのは少々難しい場所です。しかし乗用車なら問題ありません。千光寺は個人単位でじっくり訪れるのが望ましい霊場ですね。今回行程に組み込まれていたのは、組寺の舜青寺住職が円空仏にとても詳しくて、その推薦があったからです。おかげで貴重な機会を頂きました。今年の団体参拝旅行の記事はこれで終了です。