こだわり住職のよもやま話

2010年7月7日

息子がお葬式にデビュー

2010年07月07日

光明寺の鉢.jpg

2日に山寺はお葬式がありました。ちょうど日曜だったので高3の息子を葬儀に連れて行き火葬場にも同行させました。2年前から施餓鬼会には参加させていましたが、お葬式に出席させたのは初めてです。息子はまだ僧侶の資格を取得していません。しかし、そろそろ経験させてもよい時期なので、思い切ってデビューさせました。意外にも本人は嫌がる様子もなく、ひょうひょうとしています。彼にもしっかり役目を与え、鉢(はち・シンバルのような楽器)を叩かせました。父は大袈裟な帽子(水冠)をかぶり、馬のしっぽみたいな妙なもの(払子)を持って、意味はよく分からないけど、厳粛で格調高い引導の儀式を行います。威厳に満ちた父親の姿(?)を目の当たりにして、はたして彼はどんな感想を抱いたのでしょうか。

息子はこれまで葬儀の際に父がどんなことをやっているのか見た事はありません。ある意味新鮮だったでしょう。「親父もやるときにはやるんだ」なんて思ってくれたら大成功(?)なのですが、自宅でくつろいでいる普段の姿とギャップが大きすぎるので、そうそう都合良くはいかないかもしれませんね。

翌日に息子が言いました。「父さん、お葬式が沢山あったらいいのにね」です。確かに今日のお寺は葬儀と法事で食ってるのが実情ですから、まったくその通りです。我が家の家計を気にする様に(?)なったとは、彼も随分大人になって来たものです。いやいや、ひょっとするとお葬式の手伝いをすると、父から臨時の小遣いを頂けるのが念頭にあるのかも?(笑い)まあ良いか。深くは追求しないでおこう。いずれ彼も私と同じ道をたどることになるのかもしれません。それまでは父として師匠として「恥ずかしくない生き方をしなければ」と思います。男の子は「父親の背中を見て育つ」といいますが、今後も機会があれば同行させたいものです。

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